隼人町長                                                            2003年11月27日

  津 和   操 様

                          国分・隼人児童クラブ連絡会

                                代表委員  永島 静代(国分市)

                                     上村 博一(隼人町)

                                                                    続  博治(隼人町)

                                                      事務局 宮内児童クラブTEL43-8135

  2004年度
児童クラブ(放課後児童健全育成事業)施設運営に関する要望書

 

学童保育へのご支援・ご協力に心より感謝申し上げます。

学童保育が児童福祉法に放課後児童健全育成事業として規定されてから6年目を迎えました。こうした中での『必要な地域すべてに放課後児童の受け入れ体制を整備します』との小泉首相の一昨年57日の所信表明演説は、長年学童保育に携わってきた私たちにとって大いなる励ましとなりました。やっと国も本腰を入れて学童保育に取り組むことについては率直に評価したいと思います。

事実、一昨年3月には厚生労働省は全国児童福祉主管課長会議で「全児童を対象とする事業に対する放課後児童健全育成事業の国庫補助の取り扱いの基本的な考え方」という学童保育「基準」を初めて示しましたし、都道府県と指定都市、中核市の民生主管部(局)長に対して「放課後児童健全育成事業の一層の推進について」という通知を出しました。そして今年度も、放課後児童クラブ専用施設建築のための補助金も予算化されました。しかし、こうした国の積極的な姿勢を評価しながらも、学童保育をめぐる依然として厳しい現状にも目を向けざるを得ません。

日本は急激な少子高齢化社会に向かっています。2000年をピークに日本の人口は減少し、2000年に118万人いた新生児は、2050年には半減すると予測されています。こうした急激な少子化を食い止めようと、政府は1984年にエンゼルプランを立て、1998年には新エンゼルプランを立てました。しかし、少子化はいっこうに止まらず進行しています。

そのため、いま政府は二つの新しい法律(少子化社会対策基本法と次世代育成支援対策法)をつくり、更に児童編祉法を改正して、少子化対策・子育て支援を進めようとしています。

少子化社会対策基本法は少子化対策の必要性を明らかにし、基本理念を定めています。保育と学童保育を「保育二―ズ等」の中に位置づけ、拡充のために必要な施策を講じる明記されています。

次世代育成支援対策推進法は、すべての市町村(及び都道府県)に児童育成・子育て支援のための「行動計画」を立てることを義務づける法律です。2005年度から2014年度までの10年間に推進すべき児童育成・子育て支援計画を、すべての市町村(及び都道府県)が20053月までに策定することを義務づけています。

また、児童福祉法一部改正は、すべての子育て家庭への支援を狙いとする「子育て支援事業」を法制化して都道府県・市町村が積極的に推進すること、保育所の待機児童が急増している市町村は「保育計画」を立てなければならないとする内容です。ちなみに学童保育も「子育て支援事業」として位置づけ、「着実に実施されるよう、必要な措置の実施に努めなければならない」と市町村の責任を明確にしています。

そして政府は、市町村や都道府県に「地域行動計画」策定までのスケジュールを示し、「地域行動計画」を策定するための「策定指針」と「策定マニュアル」を8月に策定し、市町村・都道府県に早急に計画づくりに取り組むように指示をしています。

もはや、少子化対策は待ったなしの現状です。「地域行動計画」に積極的な学童保育への取り組みが明記されることを期待しつつ、以下の5項目にわたる具体的な要望をします。どれも緊急に実現しなければならないものばかりです。

どうか私たちの切実な要望に応えていただきますよう心よりお願いします。


要 望 項 目

 

@次世代育成対策支援推進法に基づく「地域行動計画」の策定にあたっては、学童保育に子どもを預ける保護者の声を反映し、学童保育充実を図ってください。

隼人町における「地域行動計画」策定では、学童保育を運営・推進する私たちの声を直接聞く場を設けてください。次世代育成支援対策推進法で明記されている「地域協議会」を設置し、その中に学童保育の保護者・指導員を加え、学童保育の充実を図ってください。

 

A指導員研修会の補助金を付けてください。

 私たち国分隼人児童クラブ連絡会では、2002年2月から保育内容の充実と指導員の資質向上のため、指導員相互研修会を行っています。また、全国学童保育連絡協議会主催の指導員学校に参加する等、日々研修に励んでいます。これらの会参加費用は、各運営費より支出や参加者の自己負担となっております。

研修会の経費(参加費を含む)の補助金を付けてください。

 

B子育て支援・少子化対策の観点から母子・父子家庭への保育料負担軽減のための財政支援をしてください。

母子家庭は母親が一家の働き手であり、厳しい労働条件のもとに働いており、学童保育は絶対の条件です。とりわけ昨年8月から児童扶養手当の減額が行われ、母子家庭には大きな影響が出ています。早急な財政措置が求められます。

 

C指導員が安心して働ける条件整備をしてください―そのための調査をしてください。

未だに多くの学童保育所では指導員の身分が不安定で、労災・雇用保険が整備されていません。これでは、指導員は安心して働けないのが現状です。現在の保護者会運営では、財政が不安定なため・労働保険(労災・雇用保険)をつけることができません。この結果労働基準法に沿った有給休暇の取得も困難です。これは労働基準法で認められている学童保育指導員の権利を侵告するものです。現状を把握するための調査と財政支援をしてください。

 

D施設整備費用のための補助金を付けてください。

隼人町の宮内児童クラブでは、1999年に単独で設置した中古のコンテナハウスの中、狭いスペースでトイレもなく劣悪な保育条件で児童たちは不自由な生活を強いられています。また、とみくま児童クラブでは民家を借りていますが、建物の老朽化が進んでおり、いずれ引っ越さなければなりません。どちらの児童クラブでも施設の新設が急務です。そのための補助金をつけてください。

 

以上